○孫が生まれたよ
お父さんが亡くなったのは今から5年くらい前。生きていれば娘の「宇花」を抱くことが出来た。生きてる時は「俺は絶対結婚しない! 」
なんて言ってたから、まして、その時はもうそこそこの年齢。きっと生きてる時は私が結婚するのは期待してなかったろう。親になって初めてわかったけど、これは凄く親不孝なこと。
3男で1番出来が良かった(?)から1番可愛がってもらったのに、結婚しないというのは親にとっては残念だった事に違いない。
自分には兄が2人いて、長男には子供がいないが次男には2人いる。家系は残るから良いでしだろうなんて思っていた。
でもまさか50歳超えて、結婚して、子供まで出来きるとは自分自身も思わなかった。
「孫が生まれたよ」と一言言ってやりたかったな。さぞかし喜んだであろう。
娘を抱いている父の姿が想像できる。
○先祖に報告
奥さんと子供が戻って来た時、1番最初にお墓参りをして。新しい一族の一員を紹介した。
今までの墓参りと何か違う感覚がする。今になってようやく一族の責任が果たせた感じがして、お爺さん、お婆さん、そしてお父さん
「紹介します。奥さんと娘の宇花です。新しい家族です。皆んなで娘の成長と家族が無事に暮らせるよう見守ってやってください。」
報告を終え、ホッとしたのを覚えている。
子孫を残していくのも生きている者の勤めなんですね。
○父への手紙
天国の父に手紙を送ろう
父さんへ
「孫が出来たよ。名前は宇花。かわいい女の子。生きてる時は見せられなかったけど。父さんの孫には変わりないでしょう。元気に育つよう見守ってください。
とても可愛いよ。母さんになついて、一緒にテレビを見てる。
まだ母さんは、こっちにいるから、しばらく孫の相手をさせてあげてね。宇花の話はお母さんが天国行った時にゆっくりお土産話し聞いてね」